王切開での出産で、患者さんから「何人まで産めるのか?」という質問をいただくことがあります。帝王切開の場合、通常は3人まではOKとされています。実際には3回以上も可能ですが、子宮破裂などのリスクが上がってきます。また妊娠の間隔については、通常1年以上は空けることをお勧めします。
帝王切開の切り方については「縦」と「横」の2つの方法があります。昔は大体縦でしたが、今では横に切ることも増えてきました。
横に切るメリットとしては、表面の傷が比較的きれいに残ると言われています。ただし傷の長さが長くなることが多く、癒着しやすいため、2人、3人と産むつもりであれば、縦に切る方が良いと思います。
丸山記念病院では、これらのメリットとデメリットを踏まえ、患者さんの希望によって切り方は選択いただけます。縦に切るやり方でも抜糸が無いようにきれいに縫いますので、2人目の可能性がある場合は、縦の方が良いかと思います。
母体やお腹の赤ちゃんに危険があって、緊急手術の場合は縦になります。縦に切る方がお腹を開けやすいためです。赤ちゃんの生死を分けるような超緊急の場合は、1分30秒程度で赤ちゃんを取り出すことが可能です。
帝王切開の場合、手術費用と入院の日数が増えるため、自然分娩の費用に比べると出産費用は高くなる傾向にあります。ただし帝王切開自体は公的な健康保険が効きますので自己負担は3割になります。また入院や手術は民間の医療保険の保障の範囲内になることが多いので、これらを上手く活用することで自己負担をかなり減らすことができます。