最近では「妊活」という言葉もありますが、「赤ちゃんが欲しいな」と思った時、妊娠前にどのようなことに気を付ければよいかを少し書いてみたいと思います。
まずひとつは感染症対策です。
特に風しんは妊婦さんが感染すると、赤ちゃんが「先天性風しん症候群」という病気になる可能性があります。先天性風しん症候群は、心疾患、難聴、白内障など重い障害を引き起こす病気です。
あらかじめ抗体を調べて、抗体価が低い場合には、予防接種をした方が良いでしょう。妊娠を希望する女性だけではなく、パートナーさんや同居のご家族も含め、対策をするのが望ましいです。
特に1962年4月2日~1979年4月1日生まれの男性に関しては、ワクチン行政の問題で、風しんの定期接種を受けていない世代にあたります。風しんの抗体検査や予防接種について、補助が出る場合がありますので、積極的に利用してください。
リンゴ病(伝染性紅斑)も妊婦さんが感染すると、流産や死産の原因となる可能性があります。こちらの場合は予防接種はありませんので、感染しないようにすることが大切です。
現在、新型コロナ感染症対策によって、風しんをはじめとした感染症自体が減っています。手洗いやマスクが感染症予防に大きな効果を発揮することが分かりました。新型コロナ関係なく、妊婦さんは感染症予防はきちんと行うようにしてください。
ちなみに妊活をするかどうかに限らず、予防接種による感染症予防はとても重要なので、受けられる予防接種はきちんと受けるようにしましょう。
妊娠については、精神的なストレスも大きく影響すると考えられます。好きな本、音楽、趣味などには積極的に触れた方が良いでしょう。
またアルコールは少量であれば問題ありません。
しかし、妊娠に対してタバコについてはデメリットしかありません。パートナーの男性についても、副流煙の問題や、精子量が減るというデータがありますので、量を減らしたり、禁煙にご協力頂けるようなら、相談してみて下さい。
子宮筋腫については、妊娠の妨げになるかどうかは位置・大きさによります。月経の異常が多いようなら、検査という選択肢も出てきますので、産婦人科医に相談して下さい。