妊婦健診

低体重出生児とは?

お腹の中の赤ちゃんの体重がうまく増えず、小さい状態で取り出す、いわゆる低体重出生児のケースでは、お腹の中にそのまま置いておくと、赤ちゃんの健康や生命が危険にさらされる場合もあるため、赤ちゃんの成長具合を見極めつつ、いかにいい時期に出してあげるかが、産科医の重要な役目となります。

赤ちゃんが低体重かどうかは、単純な体重ではなく、週数に対して大きいか小さいかが判断基準になります。
例えば同じ1000gでも、27週なら週相当の体重ですが、32週であれば小さいことになります。

また、赤ちゃんの成長は、体重だけではなく、呼吸器や臓器の成熟具合も関わってきます。例えば28週前後ですと、呼吸器の成熟が十分でない可能性があるため、そこで取り出した場合、NICUへの入院が必要になります。

36週で1700gならかなり小さい方ですが、36週なら臓器の成熟はある程度できていて、呼吸も問題ないと思われるので、そのままお腹の中に赤ちゃんを置いておくよりは、出してしまった方が安全と思われるため、帝王切開で赤ちゃんを取り出すという判断をします。

赤ちゃんの体重が増えない理由として、何らかの原因で胎盤の機能が悪くなっていることがあげられます。胎盤は血管の集合体です。体質的に血管が細かったりすると、赤ちゃんにうまく栄養がいきわたらず、育ちにくいというケースが出てきます。

また胎盤は41週を超えると機能が落ちてきます。ただしこれには個人差があり、人によっては早めに機能が落ちてくる場合もあります。そうなるとお腹の中の赤ちゃんの成長が停滞してくるので、状態をこまめにモニタリングし、羊水量などもチェックしながら、取り出すかどうかの判断をする必要があります。

日本では約9%程度、低体重出生児で産まれてきますので、10人に1人くらいの割合となり、それほど珍しいケースではありません。現在では、保育機械や医療技術が上がっているため、仮に低体重でも、昔ほど悪い状態になることはありません。(※相応の医療体制が整っている必要はありますので、クリニックなどで出産予定だった場合などは、転院になります。)余り心配はしないようにしましょう。

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