妊娠と薬

漢方処方についての考え方

丸山記念病院の産科・産婦人科では漢方を処方するケースが多くあります。今回は漢方処方についての考え方について書いてみたいと思います。

漢方というと科学的なエビデンスが無いようなイメージがあるかもしれませんが、病院で使用しているのはきちんと薬として認定され、保険もきくものです。同じ症状に対しても、体型や体質によって処方する薬が異なり、かなり細かく分類され、種類は非常に豊富です。

漢方を処方するメリットとしては、まず副作用が少ないことが挙げられます。また漢方というと、長く飲まないと効かないというイメージがありますが、体質や症状に合えば即効性もあります。余り効かなかったら1週間ごとに薬を変えてみて、体に合うもの、症状に効くものを探していくというような処方の仕方も可能です。

また漢方には「未病」という概念があります。明確な病気には至らないものの、何らかの症状があるという考え方です。例えば患者さんは痛みや不快感を抱えていても、検査をすると特にどこも異常がないというケースは珍しいことではありません。漢方はこのような場合にも処方することが出来ます。妊産婦さんで言うと、「むくみ」・「冷え」・「慢性的な疼痛」などがそれにあたります。

妊産婦さんに対しては、上記のような漢方が持つメリットがマッチするケースも多いので、漢方を処方することも多くなるのです。

ちなみに私自身も漢方を服用するケースは多く、効果が良かったものを患者さんにすすめることもあります(笑)

関連記事

  1. 妊娠についてよくある質問

    産婦人科で患者さんが多いのはどんな症状?

    妊産婦さん以外に産婦人科にはどのような症状の患者さんが多いと思いますか…

  2. 妊娠についてよくある質問

    妊娠中に動悸が起こったら

    妊娠すると心身に大きく変化が起こり、妊娠前には見られなかったような身体…

  3. 妊娠についてよくある質問

    早産っていつから?

    一般的に「早産」と言われるのは、妊娠22週以上37週未満で、赤ちゃんが…

  4. 妊娠についてよくある質問

    お腹の中の赤ちゃんの体重が増えない時は?

    妊娠・出産の中で問題になってくる場合があるのが、お腹の中の赤ちゃんが週…

  5. 妊娠についてよくある質問

    母子感染について

    妊娠中にお母さんが心配されることのひとつに、お母さん自身が感染症にかか…

  6. 妊娠についてよくある質問

    妊娠の初期症状 妊娠初期の流産のリスクは?

    妊娠4週未満のごく初期では、自分か妊娠しているかどうか気付くような症状…

  1. 婦人科の病気

    子宮頸がん 子宮体がんについて
  2. 妊娠についてよくある質問

    妊娠中に動悸が起こったら
  3. 妊娠についてよくある質問

    妊娠中に起こる痛み
  4. お知らせ

    産婦人科部長/丸山記念病院副院長 丸山正統医師の紹介 Part1
  5. 婦人科の病気

    女性ホルモンが及ぼす影響
PAGE TOP