一般的には妊娠中毒症として知られていますが、2005年に日本産婦人科学会が「妊娠高血圧症候群」と名称を統一しました。
症状としては高血圧と尿タンパクが見られ、ひどくなると身体に様々な悪影響が及びます。「子癇(しかん)発作」と呼ばれるてんかんのような痙攣を起こしたり、胎盤の早期剥離、赤ちゃんが育たないなどの合併症が現れることもあります。そうならないために、早期発見がとても重要です。
ただし自覚症状はほとんどないため、定期的な妊婦健診が重要な役割を果たします。近年では、妊婦さんが妊婦健診をきちんと受けていること、医療技術が進歩していることもあり、体感としては減っている印象です。
妊娠高血圧症候群の原因として挙げられることはいくつかありますが、主な要因は「食事」と「体質」です。「食事」は特に塩分の過剰摂取が原因となっており、丸山記念病院では、妊娠後期には特に塩分を減らした食事を摂るように指導しています。
「体質」は「遺伝的要素」と言い換えてもいいかもしれません。ご家族に糖尿病や高血圧の方がいる場合、リスクは高くなります。丸山記念病院の産婦人科では、妊婦さんに必ずご家族の糖尿病、高血圧の既往歴を伺いますが、これは「妊娠高血圧症候群」のリスクをきちんとマネジメントするためです。体質ですので、食生活、運動習慣に気を付けていてもなる人はなってしまうのです。
予防医療的な観点から見れば、妊娠によって将来起こりえるリスクが顕在化したとも言えます。妊娠高血圧症候群になる人は、そもそも高血圧や糖尿病になりやすい因子を持っているという可能性があるため、出産後も定期的な検査を受け、これらの症状が出ていないか確認しておくと良いでしょう。
丸山記念病院ではハイリスクの妊婦さんでも管理はできます。そのうえでリスクが高いと判断した場合には、総合周産期母子医療センターに移送するなどの対策を取っています。
さいたま市の産婦人科 丸山記念病院
〒339-8521 埼玉県さいたま市岩槻区本町2-10-5
一般外来 午前8:30~12:30
毎週水曜日、第一日曜日、祝日は休診
(診療スケジュールはこちらをご確認ください。)