妊娠すると赤ちゃんのために栄養バランスを気にしたり、「あの栄養、この栄養を摂らないと」など食生活を気にすることも出てきます。本人というよりも、周りの人から色々と言われてしまうケースも少なくないかもしれません。
実際のところ妊娠時に積極的に摂った方が良い栄養素は特にありません(笑)。
もちろん時期によって摂った方が良い栄養素はあります。以前のブログにも書きましたが、葉酸は妊娠のごく初期に大切な栄養素ではあります。
しかし、このごく初期は妊娠していることにはほとんど気が付かない時期なので、妊娠が分かってから慌てて葉酸を摂取してもあまり意味がありません。
同様に妊娠初期にはビタミンが必要ですし、また鉄分はきちんと摂った方が良いですが、妊婦健診できちんと診ますので、足りないと医師が判断した場合には薬が出ます。
つわりの時期は、脱水症状にならないようきちんと水分を摂っておけば、自分が食べたいもの、食べられるものを食べるで構いません。もし足りなければサプリや野菜ジュースなどで補えば良いのです。
栄養価がいくら高くても、マズいものは続きません(笑)。食べ物のことでストレスになるのが一番よくありません。
ただし、塩分の摂りすぎには注意が必要です。妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)のリスクが上がる可能性があります。現代の食生活では、塩分を摂り過ぎていることが多いので、塩分については意識して減らす方が良いでしょう。
分かりやすいところで言うと、旦那さんが文句を言わないレベルの味の濃さは、妊婦さんにとっては塩分が濃いと言っていいでしょう。ごはんと食べてちょうどよいものは塩分が濃いので、単品で食べてちょうどよいくらいを心掛けてください。
また調理法でも塩分に差が出ます。煮物は薄味にしたつもりでも、素材がしっかり塩分を吸収してしまうので、意外に塩分濃度が高くなったりします。出汁を上手く使ったり、水煮にしたり、減塩しょうゆを使ったりと少し工夫をしてみると良いかもしれません。
ともあれ食事のことであまりピリピリするのは身体によくありませんので、気を張り過ぎず生活してください。また、妊婦さんのご家族の方は、妊婦さんに食事のことであまりあれこれ言わないであげてくださいね。
さいたま市の産婦人科 丸山記念病院
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