日本人は世界的に見ても睡眠時間が短いと言われていますが、実に5人に1人が睡眠に関する悩みを持っているそうです。
妊娠すると黄体ホルモンが多く分泌される作用で、眠くなる方が多いので、妊婦さんは不眠に困ることは余りないかもしれません。
むしろ不眠で悩むようになるのは、出産後、育児をしている期間の方が多いかもしれません。夜中の授乳や夜泣きで起きた後、目がさえて眠ることができなかったり、生活リズムが狂ってしまって深い睡眠が取れなかったり、体力的にきつくなってしまうこともあります。
睡眠薬については、授乳中も母乳に影響が出にくい薬を適量使えば、赤ちゃんへの影響はほとんどないと考えられていますが、なるべく睡眠薬は飲みたくないという方もいます。その場合には漢方薬を処方することがあります。
抑肝散(よくかんさん)は、精神が昂ってしまって眠れないという時に処方する漢方薬です。昔で言う「肝の高ぶり」を抑える漢方薬で、お母さんだけではなく、赤ちゃんに飲ませても良いとされていて、粉薬を練ったものをちょっと舐めさせると、夜泣きなどを静めてくれる効能があると言われています。
酸棗仁湯(さんそうにんとう)は、体が疲れているのに眠れない、深い睡眠が取れず目が覚めてしまうようなタイプの不眠に効果が期待できる漢方薬です。睡眠のリズムが乱れて、中途覚醒をしてしまったり、寝ているのに熟睡感がないなどの症状を改善します。
子育ては体力勝負になることもあるので、睡眠は大切です。当院では不眠症の漢方も処方していますので、悩んだときは、相談してください。
さいたま市の産婦人科 丸山記念病院
〒339-8521 埼玉県さいたま市岩槻区本町2-10-5
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