近年、女性が患う病気の中でも、よく耳にするようになったのが「子宮内膜症」です。
子宮内膜症は、生理(月経)の時、月経血が逆流して、お腹の中で生着して育ってしまうことで起こります。炎症を伴うので、生理痛が強くなったり、ひどくなると生理(月経)の時以外にもお腹や腰に痛みが起こるようになります。
脳と心臓以外の臓器には発生が報告されており、臓器によって症状が異なるため、人によって症状がかなり違います。胸腔(肺、横隔膜、胸壁)に発生すると月経の度に気胸になることもありますし、卵巣や卵管で癒着が起こると不妊の原因にもなります。
罹患率は月経の回数に比例します。近年結婚出産の年齢が高くなっているため、発生が多くなっています。
また、一般的に生理痛がきつい=子宮の収縮が強いということを意味します。これは月経血が逆流しやすいということになり、子宮内膜症が発症しやすいと言えます。
昔は若くして多産の女性が多かったので、一生のうちの生理の回数が今より少なく、余り見られなかったのですが、女性のライフスタイルが変化してきたことから、かなり患者さんが多くなっています。
治療法には手術と薬物療法があります。女性のライフステージによって治療法が違うのが最近の傾向です。
例えば、子どもが欲しい場合は手術して、不妊治療を行う。今後子どもを産むつもりがなければ、手術はせず薬で症状を抑えるという選択肢もあります。
生理(月経)は病気ではないため、痛みが強かったりしても我慢してしまうケースが多いかもしれません。しかし、診察によって子宮内膜症のような病気が見つかることもありますし、症状を抑えることもできるかもしれません。困ったことがあれば、気軽に婦人科を受診してみてください。
さいたま市の産婦人科 丸山記念病院
〒339-8521 埼玉県さいたま市岩槻区本町2-10-5
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