大阪府の吉村知事が新型コロナウイルスの陽性頻度を下げるという会見をしたことで、大きな話題となってしまったヨード系うがい薬。
もちろん消毒効果はありますので、一時的にのどや口の表面についたウイルスを減らすことはできますが、細胞内に入っているウイルスには届きませんので、効果は限定的です。もちろん重症化を抑えるような効果はありません。例えば会食前にヨードでうがいをしたら、口の中のウイルスが減り、飛沫の中に含まれるウイルスも減るので多少の効果はあるかもしれません。
また妊婦さんのヨード系うがい薬の使用については、ヨードを飲むわけではありませんので、うがいくらいなら使用しても問題ありません。ただし、恒常的に使用すると過剰摂取になる場合がありますので、長期間、毎日ヨードで何回もうがいをするということは避けてください。日本人は食から摂取するヨウ素の量が多く、身体に必要な量はきちんと摂れていることが多いので、ヨウ素を摂りすぎると過剰摂取になります。これは妊婦さんに限らずのことですので、注意してください。
そもそも口の中をきれいにするということであれば、ヨード系うがい薬である必要はなく、水でのうがいや歯磨きをまめにしておくことの方が大切です。
新型コロナウイルスについては、ヨード系うがい薬に限らず、きちんと科学的な評価がされていない状態で、「コロナに効く」というニュアンスの売り文句で出回っているものが多くあります。そういう信ぴょう性の低い情報に振り回されず、手洗いをする、密を避けるなどの当たり前にできる感染予防をきちんと行うことが大切です。
さいたま市の産婦人科 丸山記念病院
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