産婦人科で診察や検査をするときに欠かせないものがエコー(超音波)です。現在のエコーは一昔前に比べると、画像解像度が劇的に上がり、かなり細かいところまで見ることが出来ます。例えば、エコーで胎児を見ると、小さな胎児の内臓奇形も確認できるほどです。
そしてもう一つ、婦人科系の疾患にとても有効なのが「子宮鏡」です。子宮鏡とは膣から入れる子宮用の細い内視鏡です。他の内視鏡と同じく、子宮の内部をモニターしながら、診察を行ったり、手術を行うことが可能です。子宮内宮の病変を直接見て診断できるため、非常に精度の高い診断ができます。
手術は、先端の電気メスを使って行います。お腹に小さな穴を開ける腹腔鏡も手術痕の小さい手術ですが、子宮鏡の場合は外から見えるところに傷は残らないのが、大きなメリットのひとつです。術後の痛みや出血も少なく、入院期間も短く済みます。
子宮鏡は直接映像で見られるわけですから、エコーよりもさらに検査の精度が上がります。子宮内宮病変に対してはとても有効な診断法です。丸山記念病院では、エコーで見て怪しいと思ったら、子宮鏡診断を行っています。
このように患者さんにとってメリットの大きい子宮鏡ですが、子宮鏡での診断・手術まで行っている医療機関は、全国でもそれほど多くはありません。技術的に難しく、大学病院でも必須にはなっていないため、技術をもった医師をなかなか育てにくいからです。ちなみに埼玉県では、日本産婦人科内視鏡学会認定の子宮鏡技術認定医は埼玉医科大学病院の高村将司先生と、当院の丸山正統産婦人科部長の2人しかおりません(2020年7月現在)。
例えば、子宮の疾患と言えば「子宮筋腫」があります。45歳までに1つ以上の子宮筋腫ができる女性の割合は約70%と言われています。子宮筋腫は小さいものでは症状が出ませんが、大きくなってくると、月経時の出血が多くなったり、不妊の原因にもなったりします。子宮鏡を使えば、子宮筋腫の診断・手術を患者さんの負担少なく行うことが出来ます。(子宮筋腫大きい場合は腹腔鏡手術で切除します。)
また子宮体がん(子宮内膜がん)を調べる細胞診検査で異常があっても診断がつかないケースなどでは、子宮鏡を使って直接見て診断します。さいたま市近隣では、他の病院やクリニックから丸山記念病院に送られてきて、丸山正統産婦人科部長が診察を行うことも少なくありません。
丸山記念病院は、子宮内宮病変のスペシャリストとして、子宮鏡による検査・手術を積極的に行い、実績を積み重ねています。
さいたま市の産婦人科 丸山記念病院
〒339-8521 埼玉県さいたま市岩槻区本町2-10-5
一般外来 午前8:30~12:30
毎週水曜日、第一日曜日、祝日は休診
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