子宮筋腫は、産婦人科の病気の中でも最もポピュラーなものと言ってもいいでしょう。筋腫とは筋肉が異常発達したコブのような腫瘍ができる病気です。それが子宮内にできるので子宮筋腫と言います。1cm以下の小さなものまで含めると、5、6人に1人の割合で、誰にでも起こり得る病気と言えます。
子宮筋腫は大きさだけではなく、どこにできるかによって症状が大きく異なってきます。例えば、外側にできるものが大きくはなりますが、大して症状が起こらないことが多いです。
一方、生理が起こる場所である中側にできる筋腫、粘膜下筋腫と言いますが、こちらの場合は1cmくらいの小さなものでも症状が重くなります。生理の出血量が増え、貧血の症状が出ます。
治療としては手術による切除となりますが、個人個人の状況に合わせ、治療の方針を決めることになります。例えば筋腫がたくさんあっても、それほど症状が無く、閉経間近の場合はそのままにしておくこともあります。筋腫は女性ホルモンの影響でできると考えられ、閉経後は自然と小さくなることが多いからです。その場合は漢方薬などで症状を抑えつつ、定期的な経過観察を行っていきます。
一方で妊娠を希望しているようなケースでは、筋腫が不妊の原因となる場合もあるため、症状が無くても切除することが多くなります。また妊娠すると筋腫は大きくなる傾向にあるため、事前にきちんと治療をしておくのが良いと思います。
このように女性のライフスタイルに合わせ、その時々で治療方針は変わってきます。子宮筋腫の治療では、信頼できる医師にきちんと相談してください。
丸山記念病院の場合は、かなりの大きさまで子宮鏡による手術に対応していますので、傷跡が残らず切除が可能です。(子宮鏡についてはこちらのページをご覧ください。)